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お薬処方について2020年08月14日 05時54分22秒

他の医院で処方してもらったお薬 と同じものを処方して欲しい、、、という理由だけで来院される方がいらっしゃいます。 病気の診断 治療 は医師によって異なります。 他の医師の診療方針と 私のそれとは異なりますので 同じお薬を処方するとは限りません。 中には「なんだ処方してくれないのか」と怒り、すごむ患者さんがおられます。 「処方箋の強要」は犯罪ですので関係官庁に通報いたしますので ご注意ください。 「黙って俺のもらったお薬を処方すればよいのだ」という傲慢な態度の患者さんもおられます。 大変恐縮ですが、私には私なりの診療方針がありますのでご理解ください。みなさんも自分なりの生活方針があり、他人に強要されるのが不愉快だと思います。それと同じです。

トビヒの季節、、トビヒとは?2008年06月09日 06時55分47秒

「とびひ」が増えている。
主としてこどもの病気、大人はあまりかからない
「ブドウ球菌、連鎖球菌」 などが原因。
まぁ、「細菌感染症」です。
なぜ問題となるか?
それは、ブドウ球菌などが
毒素を産生する。
どんな毒素か?
「皮膚を溶かす毒素」である。
この毒素、ブドウ球菌から次から次へと産生される。
一見すると「ヤケド」のような症状に似る。
トビヒの「ヒ」は「ヤケド」という意味。
本当にヤケドそっくりですよ。
小学校低学年まではとても多い病気なんだ。
治療は抗生物質の内服、外用となる。
軽いトビヒは外用、つまりつけ薬のみでよくなる。
このトビヒ、お母さんが適当に薬つけても治らない。
だから早く皮膚科に来たほうがいいですよ。

爪の異常 part22008年03月20日 07時03分45秒

イタイイタイ!こうなっても爪を抜いてはいけない。
次に
巻き爪、正しくは陥入爪(かんにゅうそう)、と言う。
これは多い。
このようにがっちり食い込んでしまった場合は
時間がかかる。
見るからに痛そう、、、。
でも、
靴の変更
深爪の禁止
などで、数ヶ月たつと良くなる。
こんなときは草履を履くと良い。
日本人は草履、草鞋(わらじ)が似合うんだな。
あと、ジョギングシューズで
幅広、日本人向きのものが発売されている。
そんな靴に変えることが一番だ。

爪が痛い?爪のなぜなぜ Part 22008年03月18日 06時59分14秒

まき爪、陥入爪
爪を剥がさないで治療する方法は?
その前に
なぜ巻き爪、陥入爪になるか?を理解しなくてはならない。
大きく分けて2つの理由がある。
1:窮屈な靴、大きすぎる靴、「あなたの足にあっていない」 靴、、、とにかく靴が足とフィットしていないんですよ。靴の問題を抜きにして陥入爪の治療はないですね。
2:深爪、つまり爪が巻き込むからといって爪の両ハジを深く切ること、これは絶対にやってはならんです。爪をきると、ますます食い込んくる。

この2つを解決しなければならない。
1:の靴については、「シューフィーッター」という専門家がいる。大きい靴屋さんには資格を持ったかたがいらっしゃる。その専門家に相談すると良い。
2:の深爪、これは日常生活の中で注意できる。爪の両ハジは伸ばすこと。もちろん伸ばしすぎると危険なので、テキトウなところで切っておく。

その上で、お医者さんは何をするか?
当面の痛みを取り除くわけ。
深く切り込んだ爪のハジが肉に食い込んでいる場合がほとんどなので、爪が伸びるまでの間、1,2ヶ月はこの痛みが続く。
応急処置としては、ステロイド外用が実はよく効く。
食い込んだ結果、細菌感染もあるので飲む抗生物質もおこなう。
外用はステロイド、内服は抗生物質、これで当面はなんとかなる。
あと、意外に効果のあるのが「テーピング」
これは爪の食い込みを和らげるように、指にテープをはり、食い込みとは逆方向に皮膚を引っ張るやりかた。
コツがあるので外来で実際に教えないとちょっと無理かな?

あと、食い込んだ爪に特殊なチューブを入れて痛みを和らげる方法もある。

爪が痛い?爪のなぜなぜpart12008年03月17日 06時31分44秒

爪にはいろいろなトラブルがある。
巻き爪
つまり爪が皮膚に食い込んで、イタイイタイ。
これ、、
「陥入爪(かんにゅうそう)」、、、という。
猛烈に多い。
そして
実にまちがった治療法が蔓延している。
まず、「やってならないこと」だ。
「抜爪」つまり爪を抜き去ってしまうこと。
ごく少数の例外(感染症で、もはや爪を抜き取らないとあぶない、など)を除き、爪は抜いちゃならんですよ。
これ、外科さんなどでは昔、よくやられていた。
まぁ、今でもやっているお医者さん、いますけどね。
何でまちがっているか?
爪を抜き去ること、それ自体ではない。
問題は爪を取ったあとですね。
爪床という、爪の下の皮膚がむき出しになる。
これはヒジョーにヤバイんです。
爪床がキズつきやすくなる、
また爪の下の骨が安定しなくなる、つまり上に向かってとび出してくることがある。
そうすると、そのあとに生えてくる爪が変形しやすいんですわ。
爪を抜いたアト、メチャクチャな爪が生えてくるケースが多いのはこのため。
だから、まず、爪はできるだけ抜かないで
そっとしておくべきなんですね。
そして次にすべきは、、、、

ステロイド酒さ とは?その12008年02月26日 05時08分00秒

「ステロイド酒さ」という病気がある。
顔面にステロイドというお薬を長期間使用するとなる。
たとえば、、、
リンデロンVG軟膏
などは有名なステロイド外用剤
こういうものを顔面に長期間、まぁ2,3週間以上使うと発症する。
「かぶれですね」などとお医者さんで言われて
ステロイド外用剤を顔につける。
つけるとすぐよくなる。
しかし、しばらくするとまた痒くなる。
またつける、、、!?
困ったことに
この「ステロイド外用剤」
つけると妙に肌がツルツルして「お化粧のノリ」が良い。
最悪の場合、「お化粧の下地」に使ったりする。
つけると調子が良い、
つけると顔のかゆみが収まる。
つけると赤みが取れる。
しかし
そこには重大な落とし穴がある。
それは恐怖とつながっている、、、、
次回ブログをお楽しみに、、、

花粉症と皮膚のかゆみ?2008年02月14日 05時17分54秒

花粉症の季節、、、
皮膚のかゆみがでてくる。
花粉症のあるかたに多い。
ただ、花粉症がなくても発症するらしい。
外来に来る患者さんでは
クビの周囲(特に女性)
男女を問わず、眼の周囲、鼻の周囲
などに多いようだ。
花粉症は「即時型アレルギー」といって
アレルギーのあるタイプでなる。
だけど
花粉によるかゆみは、(スギ)花粉が直接皮膚にくっつくことによるアレルギーらしい。
「接触皮膚炎」の1タイプ、、、。
どうもこの作用は「遅延型アレルギー」というものらしい。
だから普通の花粉症とはその作用システムが異なる。
花粉が飛んだ日の翌日、あるいは数日後に症状がでるので
患者さんは花粉との関係があまりわからないらしい。
なぜ、「女性のクビ」か?
お化粧している顔面には花粉がくっつかない?
クビはお化粧しない。だから花粉が直接くっついてしまう?
などと推測されている。
男性の場合は顔、クビなどやたらかゆくなるので、「こりゃ、何か空気中にばらまかれたものだろな?」と予想つく。
女性はクビだけのかゆみだと、ちょっと難しい。
他の接触皮膚炎の可能性もあり、こっちとしては
いろいろ考えてしまう。
香水、ネックレス、その他装飾品、、、などなど、金属アレルギーでもかゆくなるし、、、。
治療はステロイド外用なんだが
アトピー性皮膚炎のある患者さんには
プロトピック軟膏という免疫抑制剤を処方することもある。
4月末までダラダラ続くクビのかゆみはスギ花粉による接触皮膚炎かな?

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ウイルス性乳頭腫(いぼ)の治療は?2008年02月13日 07時32分14秒

主にこどもの足の裏にできる「いぼ」
これはみなさん「ウオノメ」と勘違いしていることが多い。
でも、ウイルス性乳頭腫といって、レッキとしたウイルス感染症。
中高年の顔にできるいぼ(老人性いぼ)
同じくクビにできるいぼ(「アクロコルドン」といいます)
とは異なる。
もちろん、このウイルス性乳頭腫、大人にもできる
特に手ごわいのが
足の裏にできる硬いグリグリ
この治療は普通「液体窒素療法」で治す。
それ以外には「ヨクイニン」という漢方薬が保険診療で認められている。
でも治らない患者さんがいるんだな、、、
先日、皮膚科学会東京支部大会で
「ビラミンD3軟膏が有効」
という講演があった。
このお薬、尋常性乾癬などの病気に使われるもの
その塗り薬が効果あり、というわけだ。
ただ、保険では認められないので
自費、あるいは無料サービスでやるしかない。
今日もあるお母さんから
「いつになったら治るんですか!」と困った顔で言われてしまった。
ごもっともです、、、。すみませんねぇ。イボに変わって謝ります。
時々、病気が治らないのは医師の責任、とばかり責める患者がいますね。
責められて病気が治れば、いくらでも責められますよ。
皮膚科の学会では、そんな治らない皮膚病にはどうしたら良いか?必死で考えていますので、「いましばらくお待ちください」
でもこのビタミンD3軟膏治療、、そろそろやってみるかな、、、。

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こどもが急にからだをかきむしる??2008年02月12日 05時02分15秒

こどもが急に体をかきむしって、、、
外来でよくお母さんが訴える。
この時期、乳幼児のかゆみのほとんどは
●「皮脂欠乏性湿疹」
●「乾燥肌によるかゆみ」
による。
ただ、それに加えて
●衣類の刺激
●掻き癖(ひっかきクセ)
が重なり、どんどんひどくなることが多い。
また
ロタ ノロ ウイルスなど、ウイルス感染症も流行する時期なので
●感染症によるじんましん
もありうる。
引っ掻くと、皮膚が盛り上がるようならば
「じんましん」によるかゆみかも知れない。
さらにさらに
●食物アレルギー
もある。ただ食物アレルギーはこの時期に多いというわけではないので可能性はグンと低くなる。
治療は
まず、、、
保湿をしっかりする。
掻き壊して皮膚がジクジクするようならステロイド外用となる。
それにトビヒなどブドウ球菌などがくっつき、あちこち「トビヒ」しているならば抗生物質内服が必要。
じんましんが疑われるようならば
抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤の内服
衣類の刺激がからんでいるときは
フワフワの新しい、なめらかな生地に変更する。
などなどの対策が必要だ。
「アトピーではないでしょうか?」とよく質問されるけど
お母さんの「アトピー」という意味
これ、
食物アレルギー
とほぼ同じ場合が多い。
アトピー性皮膚炎

食物アレルギー
とは
ちょっと異なるので
ボクは外来ではこう答えている。
「食物アレルギーではないでしょう」
ただ、本当にアトピー性皮膚炎のこどももいるので
詳細は
●アトピー性皮膚炎
についての過去のブログを参照。
http://hihunet.asablo.jp/blog/cat/atopy/

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「しろなまず」「白斑」って何?2008年02月11日 05時35分13秒

肌の色が真っ白に抜ける患者さんがいる。
「尋常性白斑」
と言いう。
とにかく「真っ白」。
そのせいで、メチャクチャ目立つ。
「シミ」は黒くなり、気になる、
尋常性白斑はその正反対。
ただ、「そっくりさん」がいる、、、
つまり、「似ている」疾患に
○はたけ、、子供の顔などによくできるぼんやりした白い皮膚
○老人性白斑、、、老人にできる小さな白いツブツブ
○癜風、、、これは若者に多い。体幹部などにできる。「マラセチア」という、カビが原因。このカビは誰にでもあるのだが、どうもある条件で皮膚を白く抜けさせるようだ。
これらの○は尋常性白斑とはまったく別なので勘違いしないでね。
尋常性白斑の原因?皮膚にはメラニンという色素があるが、それがごっそり抜けてしまう。
メラニンをつくる細胞(メラノサイト)がやられちまうんだなぁ、、、、。
どうしてやられるか?
二説ある。
1:自己免疫、、自分の免疫システムがメサノサイトをやっつけてしまう。
2:神経蛋白異常説、、メサノサイトは神経の末端にあることがわかってきた。この神経末端からの信号異常でメラノサイトがおかしくなる、、、??
わかったような、わからないような、難しいねぇ。
治療は?
ウチの保険外来では
紫外線治療をしている。
Narrow Band UVB という、ある特別な波長しか出さない紫外線装置だ。
これを毎週照射し続ける。
約2/3の患者さんはこれでなんとか色素がでてくる。
これにビタミンD3軟膏(オキサロール軟膏、ドボネックス軟膏など)を併用すると効果があるのだが、この軟膏は自費になってしまう。
その他、ステロイド外用、植皮(手術)、などがある。
詳細は日本皮膚科学会のホームページ参照
http://www.dermatol.or.jp/
「市民のみなさまへ」→「皮膚科Q&A」とクリック
さて、
どうしても治らない場合は
「メイク」して隠す。
着色料を皮膚に塗るわけ。
「カバーマーク」という。
カバーマークについては、、
「ダドレス」という商品がおすすめ。
http://www.grafa.jp/products/index.html

尋常性白斑は免疫、神経蛋白などがかかわってきて、ちょっと複雑な病気。
ステロイドを内服させる治療もあるが長期間の内服はホルモンのバランスを崩すので、やめたほうがよい。
以前、ある「皮膚泌尿器科医院」で、子供の尋常性白斑にステロイドを長期間内服させ、身長がとまっていた患者さんがウチに来院した。これには参ったね。
すぐやめさせ、成長を回復させた。
安易にステロイドの内服はやるべきじゃないね。
確かに効果はあるのだが、、、。

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