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ステロイドを「薄める」と副作用は強くなる2016年12月16日 05時37分12秒

ステロイド軟膏を保湿剤で混合しても「弱い薬」にはならない。その逆だ。皮膚への浸透力が強まる。これは案外知られていない。
「強いお薬だから薄めましょうね」はウソ。騙されないように、、、。
「診療所で診る子供の皮膚疾患」参照してね。
僕の近所の医院でさかんに処方されているみたい、、、。

トビヒの季節、、トビヒとは?2008年06月09日 06時55分47秒

「とびひ」が増えている。
主としてこどもの病気、大人はあまりかからない
「ブドウ球菌、連鎖球菌」 などが原因。
まぁ、「細菌感染症」です。
なぜ問題となるか?
それは、ブドウ球菌などが
毒素を産生する。
どんな毒素か?
「皮膚を溶かす毒素」である。
この毒素、ブドウ球菌から次から次へと産生される。
一見すると「ヤケド」のような症状に似る。
トビヒの「ヒ」は「ヤケド」という意味。
本当にヤケドそっくりですよ。
小学校低学年まではとても多い病気なんだ。
治療は抗生物質の内服、外用となる。
軽いトビヒは外用、つまりつけ薬のみでよくなる。
このトビヒ、お母さんが適当に薬つけても治らない。
だから早く皮膚科に来たほうがいいですよ。

小児の皮膚科その22008年03月26日 08時22分38秒

こどもは免疫の調整が未発達。
だから、本来反応しないものにもアレルギーを生じる、、。
たとえば、
乳児の脂漏性皮膚炎というものがある。
ヒジョーに多い
顔に赤みとブツブツ、、
心配した母親が外来でつぶやく。
「アトピー」でしょうか?
でも、ほとんどは
「脂漏性皮膚炎」なんだな、、。
これ、
赤ちゃんの場合、ほっておいても治ってしまう。
半年か、1年か、、
この脂漏性皮膚炎
実はよくわかっていないのだが、おそらく
「マラセチア」という健全なカビの一種。
このカビは人間と共存するカビなのだが
このカビが赤ちゃんの皮膚に住み着くときに
「ケンカ」するのかも知れない。
この「ケンカ」、ステロイド外用ですぐ引いてしまう。
だが、しばらくするとまた出てくる。
つまり赤ちゃんの免疫システムが「マラセチア」というカビと調整する段階の「一時的現象」ではないか、という説がある。
赤ちゃん、こどもにはその他、たくさん皮膚病がある。

小児皮膚科その12008年03月25日 08時15分28秒

「小児皮膚科」とでも言おうか
こどもの皮膚病は大人と異なる側面がある。
大人はある程度免疫が発達しているので感染症にはかかりにくくなっている。
しかしこどもは免疫=抵抗力 が未発達だ。
また、矛盾するかもしれないが
免疫のシステムが地球環境に「慣れていない」ので
本来反応しなくてよいものにも反応してしまう。
だから、大人に比べると格段に皮膚のトラブルが多い。
抵抗力の未発達、、、
典型的なものは
「ミズイボ」だ。
大人にはほとんど発症しない。
まぁ、乳幼児、小学校低学年のみと言ってよい。
小学校高学年になると、いつのまにか消えてしまう。
あるいは
「トビヒ」だ。
これは主としてブドウ球菌などの感染症。
皮膚を溶かす毒素を持った細菌が繁殖する。
これも大人にはあまり発症しない。
夏が近づくとトビヒの患者で外来はいっぱいになる。

こどものストレスと皮膚病2008年02月20日 07時22分39秒

顔をかきむしる幼児が受診した。
ステロイド外用をおもいっきりやるとよくなる。
しかし、ほどなく再発する。
また、
「ナメカン」といって
口のまわりをなめ続けているこどももいる。
お母さんいわく
「えっ?この子はかきむしってなんかいません」
「口の周りですか?なめてなんかいません」
と言う。
でも、どう考えても「自分でさわっている」「なめている」としか思えない皮膚の症状だ。
原因は複雑だ。
皮膚はさわると、あるいはなめると、ちょっと「気持ちいい」
少し「すっきり」する。
まぁある種の快感かな?
それがどうにもとまらなくなってしまうらしい。
特にストレスをかかえているお子さんに多い。
子供のストレス?
何でしょう、、、
いろいろあるけど
最大のものは
「親にもっとかまってほしい」
「親といっしょにいたい、甘えたい」
らしい。
むろんいろんなパターンがあるので一概には言えない。
ただ、こういうお子さんは
親と子の接触時間が少ない傾向があるようだ。
ボクは母親には
「お子さんを十分愛していると思います。」
でも、、
「もっと十分、過剰なくらい愛してあげてください」
「愛しすぎておかしくなるお子さんはいませんよ」
どのような方法で愛するか?
単純です。
「できるだけ触ってあげること」
つまり「スキンシップ」の時間を増やすのです。
おねだりされていろいろ買ってあげることではなくて、
子供に触ってあげることです。
お母さん、お父さん、、、、
今のうちだけですよ、子供に触れるのは、、、
ボクの子供はもう成人してます。
この年になると、こちらが触るとぶんなぐられますね。

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こどもが急にからだをかきむしる??2008年02月12日 05時02分15秒

こどもが急に体をかきむしって、、、
外来でよくお母さんが訴える。
この時期、乳幼児のかゆみのほとんどは
●「皮脂欠乏性湿疹」
●「乾燥肌によるかゆみ」
による。
ただ、それに加えて
●衣類の刺激
●掻き癖(ひっかきクセ)
が重なり、どんどんひどくなることが多い。
また
ロタ ノロ ウイルスなど、ウイルス感染症も流行する時期なので
●感染症によるじんましん
もありうる。
引っ掻くと、皮膚が盛り上がるようならば
「じんましん」によるかゆみかも知れない。
さらにさらに
●食物アレルギー
もある。ただ食物アレルギーはこの時期に多いというわけではないので可能性はグンと低くなる。
治療は
まず、、、
保湿をしっかりする。
掻き壊して皮膚がジクジクするようならステロイド外用となる。
それにトビヒなどブドウ球菌などがくっつき、あちこち「トビヒ」しているならば抗生物質内服が必要。
じんましんが疑われるようならば
抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤の内服
衣類の刺激がからんでいるときは
フワフワの新しい、なめらかな生地に変更する。
などなどの対策が必要だ。
「アトピーではないでしょうか?」とよく質問されるけど
お母さんの「アトピー」という意味
これ、
食物アレルギー
とほぼ同じ場合が多い。
アトピー性皮膚炎

食物アレルギー
とは
ちょっと異なるので
ボクは外来ではこう答えている。
「食物アレルギーではないでしょう」
ただ、本当にアトピー性皮膚炎のこどももいるので
詳細は
●アトピー性皮膚炎
についての過去のブログを参照。
http://hihunet.asablo.jp/blog/cat/atopy/

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あかちゃんの両手が真っ赤です?2008年02月03日 05時38分10秒

あかちゃん、幼児の両手が真っ赤になることがある。
しかも、かゆがるようなそぶりをする。
季節の変わり目に多い。
あかちゃんの様子はいたって健康。
幼児の場合もすこぶる健康。
診察室では普段と変わらない様子。
まぁ「何も問題はなさそう」なので、小児科で「大丈夫ですよ」などといわれるけど、妙にかゆがるので皮膚科に来るおかあさん。
これ、なんでしょうか?
実は、ある種の「ウイルス感染症」であるらしい。
「砂かぶれに似るウイルス感染症」などと言われている。
いわば、「仮の名称」なのだが、
皮膚の症状をよく表しているので、外来ではよく使う言葉。
後遺症もなく治る。
治療はかゆみ止めの飲み薬か塗り薬で十分。
2.3週間程度かかるかな?
特に悪質なウイルスでもないらしい。
この症状のあと、そのあかちゃんが何か問題があった、などという話は聞いたことがない。
したがって、研究者は真面目にこの病気を調べない。
だから、この病気の本当の原因はよくわかっていない。
まぁ「わからなくても気にしなくていいのよ」というワケ。
皮膚科の教科書には掲載されていないので
大学病院の研修医などは「うーん、よくわからないなぁ」。
開業医のほうがむしろ経験している。
ここ1週間でボチボチ外来で見受ける。
ただ、別の似つかわしい病気もたくさんあるので
早めに皮膚科に来たほうがいいですよ。

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ステロイドというぬり薬はこわいですか?2008年01月31日 05時16分23秒

「えっ!ステロイドですか?使いたくないんですけど」
「こわいって聞いてますから、いやです」
「ほらっ、ステロイドってこわいでしょ」
皮膚科ではよく「ステロイド」というぬり薬を使う。
毎日、たくさんの患者さんに使う。
皮膚のいろいろな病が劇的に治るようになったのが
この「ステロイド外用薬」だ。
いったいどんな薬か?
一言で言うと
「皮膚の中で働いている、過剰な反応を抑えこんでしまうお薬」だ。
皮膚には細菌やウイルス、つまり「よそモノ」を排除しようとする強烈なシステムが備わっている。
それを「免疫」という。
この「免疫」というシステムを一時的に止めてしまう、弱くしてしまう薬がこの「ステロイド」だと思ってよい。
だからステロイドを外用すると、そこの皮膚は抵抗力が弱くなり、カビ(ミズムシ)やバイキン(トビヒなど)などが入りやすくなる。
また皮膚それ自体が弱くなり、長期間つけていると皮膚の厚みがなくなり、うすくなる。
なんだ、やっぱり悪い薬じゃないか!と思うでしょ。
ところが皮膚の病気は実は上記の「免疫」が過剰になり生じる。
その代表的なものが、、、
「かぶれ」
だ。
「かぶれ」、、カッコよく言うと「接触皮膚炎」と言う。
この接触皮膚炎、ウルシのかぶれ、化粧品のかぶれ、毛染めのかぶれ、などなど、日常生活ではショッチュウ生じる。
皮膚の免疫が「過剰」な状態で、猛烈に痒くなり、夜も眠れない。
そんなとき、この過剰な「免疫」を止めて、皮膚を正常に戻す役目を果たすのが、「ステロイド外用薬」だ。
あまりにひどいときはステロイドの内服もする。
なんせステロイドを使うとこの接触皮膚炎、劇的に治る。
ただ、注意しなければならないのは
「いつまでもダラダラ使わないこと」
症状が治っても使い続けると
ステロイド外用の副作用がでてくる。
そう!
皮膚がうすくなったり、カビや細菌の侵入を招いたりだ。
だから、ある程度よくなったら、さっさとやめる。
これがステロイドの正しい使い方なんだな。
ステロイド外用を長期的に使わざるをえないアトピー性皮膚炎などのときは
ステロイド外用と保湿剤をうまく組み合わせてコントロールしている。
ステロイドは「劇薬」だ。医師の指示通り使えば
ものすごくいい薬なんだが、使い方を誤るといろんな副作用がでてくる。
だから「ステロイドはこわい」という患者さんの言葉はよおくわかる。
自己判断で使うと「こわい薬」
医師の指示でうまく使うと「良い薬」というわけなんだな。

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こどもの足のウラにウオノメ?2008年01月29日 06時02分05秒

「この子、足の裏にウオノメができてしまって」
診察室に入るなり、お母さんがつぶやく。
実は、もう、この時点で診断はほぼ確定している。
そう
「イボ」なんだな。
イボとは、本名は「ウイルス性乳頭腫」「ウイルス性疣贅」って言う。
小さな小さなウイルスが足のウラに小さな硬いカタマリをつくる。
それがお母さんのいう「ウオノメ」だ。
ウイルスによるものだから、当然周囲の皮膚に「うつる」
ほっておくと2個、3個と増殖する。
「ウオノメがあちこち、たくさんできて、、、」
「手にも膝にもウオノメができて、、」
「ついでに顔にもウオノメができて」
そんなアホな!
顔にウオノメはできへんで、、、。
よーく見るとすべてイボだ。
このイボ、本人の別の皮膚、別の部位には「転移」するが他人にはあまりうつらないので、ご安心。
プールも入っていいんですよ。
お風呂もいっしょに入っていいんですよ。
つまり、日常生活の制限はない。
治療は液体窒素を使い、冷凍凝固する。
ちょっと痛いんだな、これが。
でも子供の場合は皮膚が薄く、治り易い。
小さなものは5,6回から10回程度で治る。
ちなみに「ウオノメ」とは
通勤サラリーマンなどの足の裏に生じる
角質の「逆つきささり」
足底の一部に過度な負担がかかり、
角質がさらに硬くなる。
それが皮膚の内部につきささる現象。
とても痛い。
普通こどもにはできないので
「ウチの子供にウオノメが、、、」と言われたら
すぐさま医者は
「あっ、イボだな、、、」と直感できる。
でもね、
ある小学生、
革靴で長時間通学しているらしく、本当に、足のウラにウオノメができていたね。
これには参った。

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