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ステロイド酒さ その42008年02月29日 13時37分40秒

サンザン、ステロイドを長期間、顔面にぬりたくり
真っ赤に腫上がった場合、
ミノマイシン(ミノトーワ、ミノペンなど)
というのみ薬が有効なことがある。
これは本来抗生物質なのだが
炎症を抑える特殊な薬理作用を持っている。
ステロイド酒さの患者さんは
かなりニキビに近い状態らしい。
ミノマイシンはニキビによく使われるお薬、
それをこのステロイド酒さに使う。
どのくらい飲み続けるとよくなるか?
実は
「ステロイドを顔面に塗っていた期間」
くらい要する。
つまり、半年ぬっていたヒトは治るまでさらに半年かかるというわけだ。
ステロイド酒さはガマンガマン、とういうこと

これ以外の治療となるとどれも似たり寄ったりかな。
まぁ「時間」にまさる治療法はない、ということか。

ステロイド酒さとは? その32008年02月28日 05時50分53秒

アトピー性皮膚炎などで
顔面にステロイド外用を長期間やられてしまった
「あとしまつ」、、、、
これはケッコウ大変だ。
このステロイド外用薬、実は一般の薬店、薬屋さんでも気軽に購入できる。
「リビメックス」
などの名前で売られている。
恐ろしいことだ。
つまり、ステロイド外用薬は
医者から、あるいは薬局カウンターの薬剤師から
「このお薬なら大丈夫ですよ」
と言われて、簡単に手に入れることができる。
そんなわけで
ウチの外来には「ステロイド酒さ」の患者さんが
毎週のようにやってくる。
治療は、、、、?
実は「何もしないこと」
そう、
「何もしないこと」
顔の皮膚は「何もしないこと」
が最も良い。
ステロイド酒さにステロイド外用をすると
一時的に良くなるが
「リバウンド」と言って、すぐまたマッカッカになる。
だから「ステロイド酒さ」に「ステロイド外用」はダメ
ではかゆみ止めのお薬は?
抗アレルギー剤
抗ヒスタミン剤
など、
これらはちょっとだけかゆみに効く。
しかし、
やはり、ダメかな?
いろいろやったけど、結局
「何もしない」ことが最も優れていることがわかった。
何も外用しない。
もちろん、
あまりにリバウンドが激しい患者さんには実はよい方法がある。

ステロイド酒さ とは?その22008年02月27日 05時40分37秒

ステロイドを顔面につけ続けていると
塗った直後は大変快調だ。
お肌はツルツル、かゆみも止まり、パラダイス気分。
かって中国製の外用薬(化粧品?保湿剤?)に
「デルモベート」と呼ばれる最強のステロイドが故意に使用され、
インターネットなどで個人輸入した日本の消費者がいろいろなトラブルを起こした事件があった。
ステロイドの力は「麻薬」に似る。
それを使った直後は気持ちがいい。
そのお薬なしではいられなくなる。
では何が問題か?
ステロイド外用を顔に長期間続けると
顔面の血管が開きっぱなしになる。
当然、マの抜けたような赤い顔になってしまう。
それにかゆみもこんどは激しくなる。
ステロイド外用を1,2ヶ月続けていると
この症状はもはやステロイド外用では抑えられなくなる。
この時点で
「ステロイド酒さ」という病気が確定する。
こうなると
人前に出られないほど醜いツラになってしまう。
さて、それでは
このような症状になったとき、
治療はどうするか?

顔面へのステロイド外用その22008年02月25日 07時00分12秒

ボクは外来でよくこんな話をする。
「顔に長期間、つけることのできる理想的なお薬はありません」
「どんな場合でも、顔面には一時的につけるのみとしてください」
「保険のお薬で、顔面に長期間つけて、大丈夫、という、お薬はまずない、と言っていいでしょう。」
顔の皮膚は難しい。
簡単なかぶれ、乾燥、などでも慎重にしている。
ステロイド外用をするときは
せいぜい4,5日。長くても1週間限度だ。
それ以上使い続けると
あのおそろしい「ステロイド酒さ」という状態になる。

4,5日ステロイドを使い、よくなったら
あとはかぶれの原因探しだ。
お化粧品、保湿剤などがかぶれの「犯人」ということはよくある。

さて、顔面がカサカサしているときは、保湿剤をどうしても使わなければならないときがある。
そんなときは
「サンホワイト」というモノがある。
これは白色ワセリンから
イオウ化合物、不純物などを除いた
純粋ワセリン。
皮膚科の世界では
「まずかぶれない」保湿剤として
基準的なものとなっている。
どうしても何か保湿しなければならないときは
この「サンホワイト」をすすめている。
これはお化粧品扱いなので
(つまり「保険」薬ではない。)
外来でサンプルを渡している。

http://hihu.net

顔面へのステロイド外用 その12008年02月24日 06時59分15秒

花粉が顔に接触し、かゆくなる。
アトピー性皮膚炎で顔がかゆくなる。
お化粧かぶれで顔面がかゆくなる。
クレンジングなどを使いすぎ、こすりすぎで顔がかゆくなる。

顔は実にいろんな疾患でかゆくなる。
「顔が痒いんです」
「顔が赤くなり、困っています」
と患者から言われたら、ちょっと考えてしまう、、。

顔の皮膚は他の部位とはちょっと異なる。
●血管が豊富にある。
●脂腺という分泌腺がたくさんある。
●いろいろな細菌、カビ、ある種のダニなどがたくさん住んでいて皮膚を守ってくれる。これらは「常在菌」といって人間様のお友達。
などなど、
でもまだわからないことがいっぱいあるので
「なぞの皮膚」といってもよい。

さて、この顔の皮膚、、、
ひとつ弱点がある。
「ステロイド」という塗り薬に極端に敏感なのだ。
ステロイド外用剤、別名 副腎皮質ホルモン剤
たとえば、、、、、
ロコイド
キンダベート
アルメタ
リドメクス
リンデロンVG
リンデロンV
などなど
いろんな名前で医師が処方する。
これらのお薬、
かぶれ、アトピー性皮膚炎などの治療に使用する。
ところが顔に長期間使用すると
「ステロイド酒さ」
と呼ばれる、病気になる。
これは
顔がいつまでも赤くなり、ムズムズし、いてもたってもいられなくなる病気だ。
もちろんすべての患者がなるわけではないが
その頻度は高い。
つまり、たいていのヒトは顔面にステロイドを使用すると
「ステロイド酒さ」という状態になる。
だから、ボクは顔にやむを得なくステロイドを使用するときは
「短期間でね、、繰り返し使わないようにね」
と指導している。

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