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「しろなまず」「白斑」って何?2008年02月11日 05時35分13秒

肌の色が真っ白に抜ける患者さんがいる。
「尋常性白斑」
と言いう。
とにかく「真っ白」。
そのせいで、メチャクチャ目立つ。
「シミ」は黒くなり、気になる、
尋常性白斑はその正反対。
ただ、「そっくりさん」がいる、、、
つまり、「似ている」疾患に
○はたけ、、子供の顔などによくできるぼんやりした白い皮膚
○老人性白斑、、、老人にできる小さな白いツブツブ
○癜風、、、これは若者に多い。体幹部などにできる。「マラセチア」という、カビが原因。このカビは誰にでもあるのだが、どうもある条件で皮膚を白く抜けさせるようだ。
これらの○は尋常性白斑とはまったく別なので勘違いしないでね。
尋常性白斑の原因?皮膚にはメラニンという色素があるが、それがごっそり抜けてしまう。
メラニンをつくる細胞(メラノサイト)がやられちまうんだなぁ、、、、。
どうしてやられるか?
二説ある。
1:自己免疫、、自分の免疫システムがメサノサイトをやっつけてしまう。
2:神経蛋白異常説、、メサノサイトは神経の末端にあることがわかってきた。この神経末端からの信号異常でメラノサイトがおかしくなる、、、??
わかったような、わからないような、難しいねぇ。
治療は?
ウチの保険外来では
紫外線治療をしている。
Narrow Band UVB という、ある特別な波長しか出さない紫外線装置だ。
これを毎週照射し続ける。
約2/3の患者さんはこれでなんとか色素がでてくる。
これにビタミンD3軟膏(オキサロール軟膏、ドボネックス軟膏など)を併用すると効果があるのだが、この軟膏は自費になってしまう。
その他、ステロイド外用、植皮(手術)、などがある。
詳細は日本皮膚科学会のホームページ参照
http://www.dermatol.or.jp/
「市民のみなさまへ」→「皮膚科Q&A」とクリック
さて、
どうしても治らない場合は
「メイク」して隠す。
着色料を皮膚に塗るわけ。
「カバーマーク」という。
カバーマークについては、、
「ダドレス」という商品がおすすめ。
http://www.grafa.jp/products/index.html

尋常性白斑は免疫、神経蛋白などがかかわってきて、ちょっと複雑な病気。
ステロイドを内服させる治療もあるが長期間の内服はホルモンのバランスを崩すので、やめたほうがよい。
以前、ある「皮膚泌尿器科医院」で、子供の尋常性白斑にステロイドを長期間内服させ、身長がとまっていた患者さんがウチに来院した。これには参ったね。
すぐやめさせ、成長を回復させた。
安易にステロイドの内服はやるべきじゃないね。
確かに効果はあるのだが、、、。

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