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こどもが急にからだをかきむしる??2008年02月12日 05時02分15秒

こどもが急に体をかきむしって、、、
外来でよくお母さんが訴える。
この時期、乳幼児のかゆみのほとんどは
●「皮脂欠乏性湿疹」
●「乾燥肌によるかゆみ」
による。
ただ、それに加えて
●衣類の刺激
●掻き癖(ひっかきクセ)
が重なり、どんどんひどくなることが多い。
また
ロタ ノロ ウイルスなど、ウイルス感染症も流行する時期なので
●感染症によるじんましん
もありうる。
引っ掻くと、皮膚が盛り上がるようならば
「じんましん」によるかゆみかも知れない。
さらにさらに
●食物アレルギー
もある。ただ食物アレルギーはこの時期に多いというわけではないので可能性はグンと低くなる。
治療は
まず、、、
保湿をしっかりする。
掻き壊して皮膚がジクジクするようならステロイド外用となる。
それにトビヒなどブドウ球菌などがくっつき、あちこち「トビヒ」しているならば抗生物質内服が必要。
じんましんが疑われるようならば
抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤の内服
衣類の刺激がからんでいるときは
フワフワの新しい、なめらかな生地に変更する。
などなどの対策が必要だ。
「アトピーではないでしょうか?」とよく質問されるけど
お母さんの「アトピー」という意味
これ、
食物アレルギー
とほぼ同じ場合が多い。
アトピー性皮膚炎

食物アレルギー
とは
ちょっと異なるので
ボクは外来ではこう答えている。
「食物アレルギーではないでしょう」
ただ、本当にアトピー性皮膚炎のこどももいるので
詳細は
●アトピー性皮膚炎
についての過去のブログを参照。
http://hihunet.asablo.jp/blog/cat/atopy/

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「しろなまず」「白斑」って何?2008年02月11日 05時35分13秒

肌の色が真っ白に抜ける患者さんがいる。
「尋常性白斑」
と言いう。
とにかく「真っ白」。
そのせいで、メチャクチャ目立つ。
「シミ」は黒くなり、気になる、
尋常性白斑はその正反対。
ただ、「そっくりさん」がいる、、、
つまり、「似ている」疾患に
○はたけ、、子供の顔などによくできるぼんやりした白い皮膚
○老人性白斑、、、老人にできる小さな白いツブツブ
○癜風、、、これは若者に多い。体幹部などにできる。「マラセチア」という、カビが原因。このカビは誰にでもあるのだが、どうもある条件で皮膚を白く抜けさせるようだ。
これらの○は尋常性白斑とはまったく別なので勘違いしないでね。
尋常性白斑の原因?皮膚にはメラニンという色素があるが、それがごっそり抜けてしまう。
メラニンをつくる細胞(メラノサイト)がやられちまうんだなぁ、、、、。
どうしてやられるか?
二説ある。
1:自己免疫、、自分の免疫システムがメサノサイトをやっつけてしまう。
2:神経蛋白異常説、、メサノサイトは神経の末端にあることがわかってきた。この神経末端からの信号異常でメラノサイトがおかしくなる、、、??
わかったような、わからないような、難しいねぇ。
治療は?
ウチの保険外来では
紫外線治療をしている。
Narrow Band UVB という、ある特別な波長しか出さない紫外線装置だ。
これを毎週照射し続ける。
約2/3の患者さんはこれでなんとか色素がでてくる。
これにビタミンD3軟膏(オキサロール軟膏、ドボネックス軟膏など)を併用すると効果があるのだが、この軟膏は自費になってしまう。
その他、ステロイド外用、植皮(手術)、などがある。
詳細は日本皮膚科学会のホームページ参照
http://www.dermatol.or.jp/
「市民のみなさまへ」→「皮膚科Q&A」とクリック
さて、
どうしても治らない場合は
「メイク」して隠す。
着色料を皮膚に塗るわけ。
「カバーマーク」という。
カバーマークについては、、
「ダドレス」という商品がおすすめ。
http://www.grafa.jp/products/index.html

尋常性白斑は免疫、神経蛋白などがかかわってきて、ちょっと複雑な病気。
ステロイドを内服させる治療もあるが長期間の内服はホルモンのバランスを崩すので、やめたほうがよい。
以前、ある「皮膚泌尿器科医院」で、子供の尋常性白斑にステロイドを長期間内服させ、身長がとまっていた患者さんがウチに来院した。これには参ったね。
すぐやめさせ、成長を回復させた。
安易にステロイドの内服はやるべきじゃないね。
確かに効果はあるのだが、、、。

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両手に水疱??2008年02月08日 05時39分20秒

2月になると
手指に小さな水疱が多発してくることがあります。
これは
汗疱(カンポウ)って言います。
汗の分泌腺の末端がふくれている?
単なる炎症(接触皮膚炎など)の結果?
など、と言われています。
痒いことが多いのですが、痒くないこともある。
「何か私、おかしい?」って思い、皮膚科に来ます。
でも心配ないです。
1,2ヶ月で治ります。
患者さんによっては毎年でるみたいですね。
自律神経のイタズラではないか?
気候の変化ではないか?
手荒れの一種?
などさまざまな原因が言われていますけど、わかりません。
後遺症もなく消えていく場合はほとんどですので、心配要りません。
痒いときはステロイドという塗り薬を外用します。
コレ、ケッコウ効きます。
たまに
喫煙
歯科金属
などと関係あることがあります。
一年中治らない場合は
禁煙、
歯医者さんで歯槽膿漏などのチェック
をすすめています。

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あかちゃんの両手が真っ赤です?2008年02月03日 05時38分10秒

あかちゃん、幼児の両手が真っ赤になることがある。
しかも、かゆがるようなそぶりをする。
季節の変わり目に多い。
あかちゃんの様子はいたって健康。
幼児の場合もすこぶる健康。
診察室では普段と変わらない様子。
まぁ「何も問題はなさそう」なので、小児科で「大丈夫ですよ」などといわれるけど、妙にかゆがるので皮膚科に来るおかあさん。
これ、なんでしょうか?
実は、ある種の「ウイルス感染症」であるらしい。
「砂かぶれに似るウイルス感染症」などと言われている。
いわば、「仮の名称」なのだが、
皮膚の症状をよく表しているので、外来ではよく使う言葉。
後遺症もなく治る。
治療はかゆみ止めの飲み薬か塗り薬で十分。
2.3週間程度かかるかな?
特に悪質なウイルスでもないらしい。
この症状のあと、そのあかちゃんが何か問題があった、などという話は聞いたことがない。
したがって、研究者は真面目にこの病気を調べない。
だから、この病気の本当の原因はよくわかっていない。
まぁ「わからなくても気にしなくていいのよ」というワケ。
皮膚科の教科書には掲載されていないので
大学病院の研修医などは「うーん、よくわからないなぁ」。
開業医のほうがむしろ経験している。
ここ1週間でボチボチ外来で見受ける。
ただ、別の似つかわしい病気もたくさんあるので
早めに皮膚科に来たほうがいいですよ。

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ステロイドというぬり薬はこわいですか?2008年01月31日 05時16分23秒

「えっ!ステロイドですか?使いたくないんですけど」
「こわいって聞いてますから、いやです」
「ほらっ、ステロイドってこわいでしょ」
皮膚科ではよく「ステロイド」というぬり薬を使う。
毎日、たくさんの患者さんに使う。
皮膚のいろいろな病が劇的に治るようになったのが
この「ステロイド外用薬」だ。
いったいどんな薬か?
一言で言うと
「皮膚の中で働いている、過剰な反応を抑えこんでしまうお薬」だ。
皮膚には細菌やウイルス、つまり「よそモノ」を排除しようとする強烈なシステムが備わっている。
それを「免疫」という。
この「免疫」というシステムを一時的に止めてしまう、弱くしてしまう薬がこの「ステロイド」だと思ってよい。
だからステロイドを外用すると、そこの皮膚は抵抗力が弱くなり、カビ(ミズムシ)やバイキン(トビヒなど)などが入りやすくなる。
また皮膚それ自体が弱くなり、長期間つけていると皮膚の厚みがなくなり、うすくなる。
なんだ、やっぱり悪い薬じゃないか!と思うでしょ。
ところが皮膚の病気は実は上記の「免疫」が過剰になり生じる。
その代表的なものが、、、
「かぶれ」
だ。
「かぶれ」、、カッコよく言うと「接触皮膚炎」と言う。
この接触皮膚炎、ウルシのかぶれ、化粧品のかぶれ、毛染めのかぶれ、などなど、日常生活ではショッチュウ生じる。
皮膚の免疫が「過剰」な状態で、猛烈に痒くなり、夜も眠れない。
そんなとき、この過剰な「免疫」を止めて、皮膚を正常に戻す役目を果たすのが、「ステロイド外用薬」だ。
あまりにひどいときはステロイドの内服もする。
なんせステロイドを使うとこの接触皮膚炎、劇的に治る。
ただ、注意しなければならないのは
「いつまでもダラダラ使わないこと」
症状が治っても使い続けると
ステロイド外用の副作用がでてくる。
そう!
皮膚がうすくなったり、カビや細菌の侵入を招いたりだ。
だから、ある程度よくなったら、さっさとやめる。
これがステロイドの正しい使い方なんだな。
ステロイド外用を長期的に使わざるをえないアトピー性皮膚炎などのときは
ステロイド外用と保湿剤をうまく組み合わせてコントロールしている。
ステロイドは「劇薬」だ。医師の指示通り使えば
ものすごくいい薬なんだが、使い方を誤るといろんな副作用がでてくる。
だから「ステロイドはこわい」という患者さんの言葉はよおくわかる。
自己判断で使うと「こわい薬」
医師の指示でうまく使うと「良い薬」というわけなんだな。

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こどもの足のウラにウオノメ?2008年01月29日 06時02分05秒

「この子、足の裏にウオノメができてしまって」
診察室に入るなり、お母さんがつぶやく。
実は、もう、この時点で診断はほぼ確定している。
そう
「イボ」なんだな。
イボとは、本名は「ウイルス性乳頭腫」「ウイルス性疣贅」って言う。
小さな小さなウイルスが足のウラに小さな硬いカタマリをつくる。
それがお母さんのいう「ウオノメ」だ。
ウイルスによるものだから、当然周囲の皮膚に「うつる」
ほっておくと2個、3個と増殖する。
「ウオノメがあちこち、たくさんできて、、、」
「手にも膝にもウオノメができて、、」
「ついでに顔にもウオノメができて」
そんなアホな!
顔にウオノメはできへんで、、、。
よーく見るとすべてイボだ。
このイボ、本人の別の皮膚、別の部位には「転移」するが他人にはあまりうつらないので、ご安心。
プールも入っていいんですよ。
お風呂もいっしょに入っていいんですよ。
つまり、日常生活の制限はない。
治療は液体窒素を使い、冷凍凝固する。
ちょっと痛いんだな、これが。
でも子供の場合は皮膚が薄く、治り易い。
小さなものは5,6回から10回程度で治る。
ちなみに「ウオノメ」とは
通勤サラリーマンなどの足の裏に生じる
角質の「逆つきささり」
足底の一部に過度な負担がかかり、
角質がさらに硬くなる。
それが皮膚の内部につきささる現象。
とても痛い。
普通こどもにはできないので
「ウチの子供にウオノメが、、、」と言われたら
すぐさま医者は
「あっ、イボだな、、、」と直感できる。
でもね、
ある小学生、
革靴で長時間通学しているらしく、本当に、足のウラにウオノメができていたね。
これには参った。

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